いつの間にか
セミが鳴かなくなって…
いつの間にか
暑い夏が過ぎ…
いつの間にか
季節が変わっていました。
みなさんはお変わりありませんか?
森和田のあきたかです😃
「いつの間にか…」
そう
いつの間にか
移ろい 変わっていく…
方丈記ではありませんが
ゆく川の流れは絶えずして
しかももとの水にあらず…
どんなに手を伸ばしても
元に戻せない❗
ボクにとって青春の光が
キラキラと輝いていた場所と
その光を思いっ切り受けとめてくれた人が
この秋
それこそ
「いつの間にか…」
静かに消えました。
その場所は
福岡の天神にある
『Juke Records』❗
そして
『Juke Records』を経営されていた
松本 康さん❗
今をさかのぼること45年前
当時 東福岡高校の学生だったボクは
根っからのギター馬鹿で
くる日もくる日も
勉強もそこそこに
フォークだ❗ロックだ❗と
のぼせ上がっておりました😆
そんな中で
ボクが出会ったのが
我が音楽の聖地
『Juke Records』でした🎵
このレコード店は
洋楽・邦楽のブルースやロックやフォーク等
のマニアックな中古レコードを扱う
専門的なお店でした。
どうやってこのレコード店を知ったのか
今でははっきり覚えていないんですが
たぶん友だちが誰かから聞いたか
当時のラジオで情報を知ったかで
その友だちと日曜日に待ち合わせて
二人で行ったのが初めてだったと思います。
学ランで行ったことを覚えているので
秋から冬の季節だったのでしょう。
そのレコード店は
現在は場所が変わっていますが
当時は天神のど真ん中に
今でも開店している
「風街」という喫茶店の上にありました。
その喫茶店の脇にある
細い階段を登ったところのドアを開くと
右手に確か…
コーラとかを売っているボックスがあって
目の前の壁には
見覚えのあるレコードから
今まで見たことのないレコードのジャケット
がところ狭しと飾られていて
決して広いとは言えない通路と
壁側にレコードが並べられていました❗
そして…
奥の窓側のカウンターに
ひときわ背の高い
松本 康さんが
静かな笑顔で立っているという…
そんなお店でした。
高校一年生のガキみたいなボクには
少しハードルの高い雰囲気でしたが
レコードの品揃えは天下一品で
歌謡曲やポップスではなく
ディープなブルースやらロック…
はたまた
フォークにしても
街角では絶対に流れないような
マニアックなものがそろえてあって
当時のボクにとっては
夢の場所でした✨
このお店には
当時の博多のバンド(ロッカーズやモッズ等)の
メンバーや博多伝説のロッカー山善こと
山部 善次郎さんも通っていて
山下 達郎やメジャーで活躍している
ミュージシャンたちも来店していました。
憧れのギタリスト
鮎川 誠さんに会えたのも
『Juke Records』だったし
会わせてくださったのも
松本 康さんでした🎵
「あんたサンハウスがそげん好いとうなら
誠(まこ)ちゃんが今度来るけん
会わしちゃろう。」
※サンハウスは博多伝説のブルースロックバンドで康さんはメンバーと親しかった。
そんな感じで会わせていただきました✨
康さんは
誰彼かまわずべらべらとはしゃべらず
どちらかと言うと
口数の少ない
インテリな雰囲気を持っていた気がします。
でも
きちんと話しかけると
高校生のガキだったボクにも
きちんと対応してくださったし
大切なことも沢山話してくださいました。
中でもボクがよく覚えていて
今でも大切にしているやり取りがあります。
あれはボクが高校二年生で
一人で『Juke Records』に行った時
あれこれレコードを物色しているボクに
突然康さんが話しかけてきました。
「なんのレコード探しよると?」
ボク
「なんかパンクのカッコいいやつと
ブルースのスライド系のでいいとが
ないかなと思って…」
すると康さん
「あのくさ、パンクもいいばってん
ギター弾きよるならパブロック聴かな❗
ドクターフィールグッドやらパイレーツ
やら聴いたことある?
ギターのカッティングがすごいよ。
ギターはどれだけ手数持って
早弾き出来るかもいいけど、
カッティングとカッティングの間(ま)で
勝負出来るギタリストは
そうおらんし、そんなギタリストが
やっぱりカッコいいよ。
大切なのは『間』よ❗
ほら、これがそのレコード。」
そう言って2枚のレコードを
レコード棚から引っ張り出して
ボクに薦めてくださいました。
その2枚のレコードを購入したボクは
康さんに頼んで
お店でかけてもらいました。
初めて聴く
まるで機関銃のようなカッティングに
圧倒されているボクに
康さんは
「カッコいいやろ?人間もおんなじよ。
べらべらしゃべるよりも
言いたいことを必要最低限の言葉で
相手の気持ちを動かす
『間』で伝えると相手に届くよね。
やっぱり『間』よ。
聴こえてないところが大切よ。」
とさらに語りかけてくださいました。
『間』(ま) かぁ…✨
女子とギターのことしか考えていないような
当時のお馬鹿なボクに
果たしてどれだけ届いたかは
怪しいですが
今でもこの時のやり取りを
覚えているということは
少なくとも
何か心に響くものがあったのでしょう。
そして今でも
『間』というのは
ボクの話し方や
演奏の仕方や
歌い方に
大きく影響しています‼️
そんな松本 康さんが亡くなられました😢
昨日
康さんの訃報と
『Juke Records』の閉店を知らせる葉書が
我が家のポストに届きました🍃
話が初めに戻りますが
それこそ
いつの間にか…
ボクの大切な場所と人が
思い出の中の自分と
今の自分の『間』(あいだ)に
ひっそりと幕を降ろした
そんな感じです😩
高校から大学時代
そして
学校の教師だった時期
さらに
森和田として音楽を届けている今…
ボクの半生に
松本 康さんと『Juke Records』が
確かに存在していました。
その人とその場所は
ボクを一瞬にして16歳に戻す
タイムマシンであり
音楽について自分と向き合える
唯一のゼミナールでした🎵
これからもボクは
ずっと音楽とともに生きていきます❗
その始まりの人と場所に
心からの敬意を表します❗❗
そして康さんのご冥福を
心からお祈り申し上げます。
ということで…
今回は何のメッセージ性もなく
ボクの私的な思い出話になりましたが
ここで故人の思い出を書くことが
何よりのご供養になるのではないか
という思いで
ブログにさせていただきました。
ここまで読んでいただき
ありがとうございます🙇
ではまた。
みなさんも体と心を大切にして
健やかにお過ごしください😊
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