こんにちは。森和田のあきたかです。
今日は音楽ではなく、
歴史プチ講座!をやってみようと思います。

コロナで学校が大変です。
3月まで中学校の社会科の教師をしていたボクも、
混乱している学校や子どもたちの状況を知るたびに、心を痛めています。
そんななか、
「コロナは国境を簡単に越えるところが恐ろしい❗」
という、あるコメンテーターの発言を目にしました。
この言葉に
ふと…
「エルトゥールル号遭難事件」のことを思い出しました。
ボクの授業で、明治時代の学習になると必ず話していた
ある歴史の実話です。
ボクがとても大切にしていた授業です。
ちょっと再現してみますね。
よかったらお付き合いください。
今をさかのぼること35年前の1985年(昭和60年)
イラン イラク戦争が激化していたイランでのこと。
泥沼化していた戦局のなかで、
当時のイラク大統領サダム フセインは、
48時間のリミットを引いて
「48時間後からイラン上空を通過する全ての飛行機を撃墜する❗❗」
と 突然声明を出しました。

当時、イランには仕事で各国から人々が来ていて
当然、多数の日本人もいたわけです。
48時間の間にイランを脱出しなければ
どんなことになるかわからない❗
各国の政府は、自国民の救出に乗り出します。
日本も当然…
ところが、日本には軍隊がなく
自衛隊機の海外派遣不可の原則のもと
救出機が足りず…
215名の日本人がタイムリミットが迫るなか、イランに残されていました。
このままでは
大勢の日本人が、戦争に巻き込まれてしまう…
そんな危機的な状況のなか
日本の窮地を救うため
緊迫した状況にもかかわらず
215名の日本人を脱出するべく、救出機を出した国があったのです❗
その国は
トルコ❗❗❗

日本人の窮地を知った
当時のトルコ首相オザルは

「今こそ日本人に恩を返す時❗」
と言って…
自国民に対しては、
歩くか、自動車を提供して、自力脱出するよう指示し
日本人のために
2機の救出機を提供し、全日本人を脱出させたのです。
そして なんと❗
トルコ人たちも
オザル首相に賛同し、
自力脱出の指示に従い、日本人の救出に協力してくれたのです。
素敵な話でしょう?
…ん?
はじめに、明治時代の授業の話って
書いてなかったかって?
この話 昭和の話やん?
…
そうなんです。
この授業のキーワードは、
オザル首相の
「恩を返す❗」という言葉。
実は、
この救出劇には、前段がありました…
救出劇をさかのぼること95年前
今からだと130年前の1890年(明治23年)
当時の日本は、幕末に結ばされた不平等条約によって、
外国人を日本で裁判し、罰することが出来ませんでした。
そのちょうどこの4年前(1886年)には
ノルマントン号事件という事件がありました。
歴史の教科書に載っている、あの事件です。

ご存知の方も多いでしょう。
イギリスの貨物船ノルマントン号が沈没した際に、
イギリス船長はイギリス人ら欧米人を助け、
日本人を助けず、日本人だけ全員死亡させました。
ところが、不平等条約のために、
この船長を日本は裁くことができず、
イギリスが軽い刑で終わらせてしまったのです。
当時の日本人たちが、悔しさの中にいた
そんな最中…
1890年9月16日
日本を大型の台風が襲います❗
この台風によって、和歌山県串本町沖を運航していた
トルコ(当時オスマン帝国)の親善使節団を乗せた軍艦エルトゥールル号が、
座礁してしまいました。

乗組員650名以上が海に投げ出され、
500名以上が命を落としました。
現場近くの大島村(現在の串本町)の海岸には、
おびただしい遺体と負傷者が流れ着いたといいます。
そんな悲惨な状況下…
地元住民が、懸命の救援活動に乗り出しました。
実は、
当時、この地元住民たちも、相次ぐ台風で
生活が非常に困窮している状況でした。
にもかかわらず…
村民たちは、
自分たちの衣服、わずかな食料を負傷者たちに与え
亡くなった船員の墓をつくり
69名の船員を介抱し、
その後、
生存者全員を
無事トルコへ帰還させたのです❗❗❗
欧米からの
不平等な、差別的な扱いのなかでの
日本人の「情」のなんと素晴らしいことか。
トルコに帰還した船員たちは
大島村(日本人)の心情の豊かさを
トルコで語り継いだといいます。
このエルトゥールル号のお話は
トルコの教科書にも載っているそうで
トルコの人々は
今でも
100年以上も前の
「恩」を
忘れていないというのです。
オザル首相の
「恩を返す❗」
という言葉の意味が、おわかりいただけましたか?
ボクは、授業で
ノルマントン号事件のところにくると
このエピソードを必ず生徒たちに話してきました❗
生徒たちは…
「日本に生まれたことが嬉しい」
「愛は国境を越える❗」
「憎しみからは憎しみしか生まれんけど、優しさからは優しさを生み出せる」
などなど、
様々な感想を
授業後に語ってくれていました。
今
コロナが全世界で猛威をふるっています。
当たり前ですが…
コロナウィルスに国境はありません❗❗
ですよね?
ところが…
現各国首脳は
相互批判と責任追及をあおり…
人々も同調し
責任追及のなかで差別を助長させている。
今だからこそ ボクは
エルトゥールル号にまつわる歴史に
学びたい気持ちです。
自分のことや自国のことだけを
最優先させて
本当に大切なものを
忘れてはいませんか?
と…
確かに、ウィルスは国境を越えるけど
「愛」や「優しさ」も国境を越えます❗
こんな状況だからこそ
人々のもつ
本来の底力を
神様に試されているような気がしています。
以上
ボク自身の反省の思いも込めて
森田先生の
プチ歴史講座でした。
追記
ちなみに
エルトゥールル号事件のお話は
2015年 日・ト共同制作の映画
「海難1890」
をレンタル等で観ると、詳しくわかりますよ。
素晴らしい映画なので
オススメします❗
では、またお会いしましょう
さいなら❗さいなら❗さいなら❗
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